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【初心者向け】株式投資にかかる税金

株式投資の世界へようこそ!投資は刺激的であると同時に、利益を最大化し、法令を遵守するためには、関連する税金を理解することが不可欠です。この記事では、株式投資における税金について理解のない初心者の皆様に向けて、株式投資で発生する税金の種類と、その申告方法をわかりやすく解説します。

1. 株式投資にかかる税金の種類

株式投資で得た利益には、主に「譲渡益課税」と「配当課税」の2種類の税金がかかります 。これらの税金は、株式投資によって利益が生じた場合に課税されるもので、それぞれの性質を理解しておくことが重要です。  

1.1. 譲渡益課税:株式売却益にかかる税金

譲渡益課税とは、購入した株式を売却した際に、購入価格よりも高い価格で売却できた場合に発生する税金です 。簡単に言えば、「売って儲けた」場合に課税されるということです。  

税率: 譲渡益に対して課される税率は、一律で20.315%です 。この内訳は、所得税が15%、復興特別所得税が0.315%(2037年まで )、そして住民税が5%となっています 。複数の情報源で一貫してこの税率が示されていることは、日本の株式投資における税制が安定していることを示唆しており、初心者の方にとっても理解しやすいでしょう。また、復興特別所得税には終了期限が定められていることも、長期的な視点を持つ上で知っておくと良い情報です。  

譲渡益の計算方法: 譲渡益は、売却価格から取得費(購入価格と手数料)を差し引いた金額で計算されます 。計算式は以下の通りです。  

譲渡益 = 売却価格 - (取得費 + 売却手数料等)

例えば、200万円(手数料込み)で購入した株を250万円で売却した場合、譲渡益は50万円となり、この50万円に対して20.315%の税金がかかります 。  

1.2. 配当課税:配当金にかかる税金

配当課税とは、保有している株式の発行会社から配当金を受け取った際に課される税金です 。株主になったことで、企業利益の一部を受け取る際に発生する税金と考えると良いでしょう。  

税率: 上場株式等の配当金(大口株主を除く )に対する税率も、原則として20.315%です 。ただし、一般株式等の配当金や、上場株式等の配当金でも大口株主が受け取る場合は、20.42%の税率が適用されます 。多くの初心者投資家が対象とする上場株式の配当金については、20.315%の税率が適用されると覚えておけば良いでしょう。このように、株式の種類や株主の状況によって税率がわずかに異なる点は、税制の複雑さを示す一例ですが、基本的な税率は共通しているため、まずはここから理解を深めることが大切です。  

配当課税の仕組み: 配当金を受け取る際には、通常、税金が自動的に差し引かれる「源泉徴収」という形で納税が行われます 。そのため、多くの場合は、自分で税額を計算したり、納税の手続きをしたりする必要はありません。これは、初心者の方にとっては非常に簡便な仕組みと言えるでしょう。  

2. 税金を支払うタイミング

株式投資における税金を支払うタイミングは、譲渡益と配当金で異なります。

  • 譲渡益課税: 株式を売却して利益が確定した時点です 。具体的な支払い方法は、利用している証券口座の種類によって異なります(後述)。  
  • 配当課税: 配当金が証券口座に入金される際に、自動的に税金が差し引かれます 。  

3. 証券口座の種類と税金

日本で株式投資を行う際には、主に「一般口座」「特定口座(源泉徴収あり)」「特定口座(源泉徴収なし)」の3種類の証券口座から選択できます。どの口座を選ぶかによって、税金の取り扱いが大きく変わります。

3.1. 一般口座:自分で確定申告が必要

一般口座は、投資家自身が年間の取引を記録し、譲渡益や配当所得を計算して、確定申告を行う必要がある口座です 。初心者の方にとっては、税務処理の負担が大きいため、あまり一般的ではありません。自分で税金の計算や申告を行う必要があるため、ある程度の金融知識や税務知識が求められます。  

3.2. 特定口座(源泉徴収あり):原則として確定申告不要

特定口座(源泉徴収あり)は、証券会社が年間の譲渡損益を計算し、譲渡益や配当金から自動的に税金を徴収・納税してくれる便利な口座です 。原則として確定申告は不要となるため、税務手続きに不安がある初心者の方にとって最適な選択肢と言えるでしょう。自動的に税金が処理されるため、手間がかからず、納税忘れのリスクも軽減されます。  

3.3. 特定口座(源泉徴収なし):確定申告が必要な場合も

特定口座(源泉徴収なし)も、証券会社が年間の譲渡損益を計算して年間取引報告書を作成してくれますが、税金の徴収は自動で行われません 。そのため、原則として投資家自身が確定申告を行う必要があります。証券会社が取引の記録や損益計算は行ってくれるものの、最終的な納税手続きは自分で行う必要があるため、「源泉徴収あり」に比べると手間がかかります。  

口座の種類税金の源泉徴収確定申告の必要性(原則)
一般口座なしあり
特定口座(源泉徴収あり)ありなし
特定口座(源泉徴収なし)なしあり

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4. 確定申告は必要?

株式投資で利益が出た場合、必ず確定申告が必要になるわけではありません。確定申告が必要になるケースと、確定申告をした方が有利になるケースがあります。

4.1. 確定申告が原則として必要なケース

  • 給与所得がある場合: 年間の株式投資による利益(譲渡益と配当所得の合計から経費を引いた額)が20万円を超える場合 。  
  • 給与所得がない場合: 株式投資を含むすべての所得の合計額が、基礎控除額(現在は48万円 )を超える場合。  

給与所得の有無や利益額によって確定申告の必要性が異なる点は、日本の税制の特徴の一つです。自身の状況に合わせて確認することが重要です。

4.2. 確定申告をした方が有利なケース(任意)

  • 損失が出た場合: 株式を売却して損失が出た場合、確定申告は義務ではありませんが、確定申告をすることで、その損失を翌年以降3年間繰り越して、将来の利益と相殺することができます(繰越控除 )。これにより、将来的に利益が出た際の税負担を軽減できます。  
  • 配当金と損失を相殺したい場合(損益通算): 株式の売却による損失と、受け取った配当金を相殺したい場合も、確定申告が必要です(損益通算 )。  
  • 配当金の課税方法を選択したい場合: 配当金は通常、源泉徴収されますが、確定申告をすることで「総合課税」または「申告分離課税」を選択できます 。
    • 総合課税と配当控除: 課税される所得金額が一定以下(例えば、1,000万円以下 )の場合、総合課税を選択し、配当控除を受けることで、税負担が軽減される可能性があります 。課税所得金額が695万円以下であれば、総合課税の方が源泉徴収よりも税率が低くなる場合がある 。  
    • 申告分離課税と損失の相殺: 上述の通り、申告分離課税を選択することで、配当所得と株式の譲渡損失を相殺できます 。  

このように、確定申告は義務がない場合でも、損失の繰越や配当控除の適用など、税負担を軽減できる可能性があるため、自身の投資状況によっては検討する価値があります。

5. 株式投資の確定申告方法(初心者向け)

株式投資で確定申告が必要になった場合、どのように手続きを進めれば良いのでしょうか。ここでは、基本的な流れを解説します。

5.1. 必要書類の準備

まず、確定申告に必要な書類を準備します。特に重要なのは、証券会社から送付される「特定口座年間取引報告書」です 。この書類には、年間の株式取引の損益がまとめられており、確定申告書の作成に不可欠です。一般口座で取引を行った場合は、自分で取引の記録や購入価格、手数料などを集計する必要があります。  

5.2. 確定申告書の入手

確定申告書は、国税庁のウェブサイトからダウンロードするか、税務署で入手することができます。

5.3. 確定申告書の作成

入手した確定申告書に、株式投資に関する所得(譲渡所得や配当所得)や、必要に応じて損失に関する情報を記入します。特定口座年間取引報告書があれば、比較的簡単に記入できます。不明な点があれば、国税庁のウェブサイトの案内や、税務署の相談窓口などを活用しましょう。

5.4. 確定申告書の提出

作成した確定申告書は、税務署に郵送するか、e-Taxを利用してオンラインで提出することができます。

5.5. 提出期限

所得税の確定申告の期限は、通常、翌年の2月中旬から3月中旬頃です。正確な期限は、毎年国税庁のウェブサイトなどで確認しましょう。

特定口座年間取引報告書は、年間の取引状況を把握する上で非常に重要な書類であり、これがあることで、初心者の方でも比較的スムーズに確定申告を進めることができるでしょう。

6. NISAを活用した節税

株式投資における税金を軽減するための制度として、「NISA(少額投資非課税制度)」があります 。NISA口座内で投資した株式や投資信託などの利益(譲渡益や配当金)は、一定の投資上限額までは非課税となります。NISAには、年間投資上限額や対象商品などが異なる複数の種類(つみたてNISA、一般NISAなど)があります。株式投資に慣れてきたら、NISAの活用を検討することで、長期的な資産形成において税制上の優遇措置を受けることができます。NISAという非課税制度の存在は、これから株式投資を始める初心者にとって、将来的な節税の可能性を示す明るい材料と言えるでしょう。  

まとめ

この記事では、株式投資における主要な税金の種類、支払いのタイミング、証券口座の種類と税金の関係、確定申告の必要性、そして申告方法の概要について解説しました。株式投資の税金について理解することは、最初は少し難しく感じるかもしれませんが、基本的な仕組みを把握しておくことで、安心して投資に取り組むことができます。もし不明な点があれば、国税庁のウェブサイトや税務署、あるいは税理士などの専門家に相談することも有効です。税金の知識をしっかりと身につけて、賢く株式投資を楽しみましょう。

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